不覚!絶対こういうの嫌なのに、本屋で涙がぼろぼろと落ちるのを止められませんでした。(マスクしてたので、目立たなかったと思う)
本屋さんで平積みされていた、こちらの絵本を読んでしまったせいです。
▼『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』ヨシタケシンスケ/著 白泉社 2022
子どもの頃、たくさんの絵本と共に育ちました。
しかし、子どものいないわたしは、大人になってから絵本を読む機会はほとんどありませんでした。
今は大人でも絵本を読んだりすることはよく聞きます。だけど、わたしは意識的に絵本に近づかないようにしてきました。
理由はただひとつ、

なんか、センチメンタルな気分になるから。
絵本を読むとなんだか悲しくなる、さみしくなるという刷り込み、思い込み?
それなのに、本屋さんでこの本を手にしてしまったのは、やっぱりこの題名と表紙の女の子のせい!
「かみはこんなにくちゃくちゃ」で、その後に「だけど」って、だけどってなに?
その後に続く言葉はなに?という感じで手にとってしまったのです。
かみはこんなにくちゃくちゃだけど に続く言葉
この絵本は見開きで完結するお話(エピソード?)がいくつか収められています。
なんと言ってもヨシタケシンスケさんの絵がかわいい。
子どもや赤ちゃんの絵はもちろん、なぜかおじさんおばさんもかわいい。
さて、「かみはこんなにくちゃくちゃだけど」に続く次のページには、こう書いてありました。
かみはこんなにくちゃくちゃだけど
わたしにはゆめがある
いつかかしゅになりたいの『かみはこんなにくちゃくちゃだけど』ヨシタケシンスケ 白泉社
これを読んだらもう、涙がぼろぼろと止まりませんでした。
いや…こんなふうに泣いたのは久しぶりです。くるくるチリチリの癖毛に悩み続けていたわたしは、中学生くらいから
- こんな髪の毛のわたしは、おしゃれな店に入ったら笑われる
- こんな髪の毛のわたしは、おしゃれなあの子と話してはいけない
こんな思いにとらわれていました。
今はこの思い込みや囚われは随分とゆるくなりました。でも、今でも時々顔を出します。
▼わたしの癖毛コンプレックスはこちらです
この絵本の女の子は、髪の毛のことなんかお構い無しに、歌手になるために一生懸命歌を歌っています。
その姿に心を打たれました。髪の毛がどうであろうと、好きなことをやればいい、髪の毛でなにかを制約される必要なんてない。
もし、今でも自分の髪の毛をコンプレックスにおもっていて、そのせいで髪の毛に関係ないことを諦めたり、自信を失いかけている人がいたら、「それとコレは別だよ、何も諦めないで」と伝えたい。
この絵本はそんなバワーを与えてくれました。
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身近なあの人の顔が浮かぶ絵本
この本は髪の毛がくちゃくちゃだという女の子以外に、いろいろな人の話しが見開きで語られています。
どの話も少し胸がきゅっとします。
そして、身近な人の顔が次々に思い浮かびました。
- このお話は夫のT氏
- このお話はあの人
- これはS(愛犬)みたい!
などなど。
Sがでてきたのにはびっくりでした。もちろん、人間のエピソードなんですが、わたしにはSのお話にみえてしまいました。
▼読み聞かせごっご
この絵本から受けとったメッセージは ひとつが全てではないということ
最初から最後まで何回か読んでみました。いろいろな感想が浮かびましたが、一番強く感じたのは、たった一つの事柄がその人の全てではない、ということ。
髪の毛がくちゃくちゃなのはその人の全てではない。
その他に目を向ければいいことも悪いことも抱えている。
自分にとって良くない事があった時に、それが自分の全てと思わなくていい、ということを感じました。
もともとわたしは、何か一つにフォーカスしがち(0か1か思考)なので気をつけようと思っているんですが、ヨシタケケンスケさんのかわいい絵とシンプルな言葉に、そこを突かれてしまいました。
癖毛で悩んでる、癖毛のせいでなにかを諦めている人に「そんな必要ないんだよ」と、やさしくかつ元気いっぱいに語りかけてくれている気がしました。
この本は大人向け
絵本の対象年齢はもちろん子どもなのですが、大人が読んでこその本と思います。
この絵本はお話ごとに良いことと残念なことがセットになっています。(髪がくちゃくちゃなのは残念ではないけどね!)
残念なことには、仕事でのミスや恋愛がうまくいかないなどありふれたことや、かなり悲しい大変なことまで様々です。
だけと、このありふれたことや大きな悲しみって小さな子どもにはわからないかもしれない。想像できないかもしれない。もちろんわからないくらいの方が良いけど。
大人になるとありふれた残念な出来事は避けては通れないから、みんな「あーあるよね」「わかるよ、つらいね」って共感できるのでしょうね。
避けて通れない、残念なことがあるけれど、それはあなたのすべてではない。
やっぱりこんな感情は、いろいろな経験をつんだ大人こそ共感出来るのではないでしょうか。
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本屋で大泣きしてしまった絵本の記録でした。
毎日残念な出来事と戦う大人に、癖毛への偏見に屈したくないカーリーさんにおすすめです。
絵本とは別ですが、ヨシタケさんの書く絵がかわいすぎますね。グッズが欲しくなってしまい、困っております。
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